9 大雨がふると、家や畑は水びたしになった
むかしは、大雨がふると黒部川の堤防が切れ、あふれた水で家や畑が水びたしになった。人びとは何とかしなければと考え、よく切れるところに二重三重に堤防をつくった。それを“かすみてい”とよんでいる。 しかし、それだけでは安心できない。堤防が切れそうになると、竹のかごに石をつめたものをあてたり、丸太をくんだものを投げいれたりして堤防をまもった。このような作業を『水防』とよんでいる。黒部川流域に人びとがくらすようになってから、人びとはずっと川とたたかってきた。 |
|
だく流にのみこまれる愛本えんてい (昭和44年8月11日) |
今では、国がりっぱな堤防をつくったおかげで、黒部川から水があふれる心配はほとんどなくなった。平成12年に宇奈月ダムが完成すると、もっと安心してくらせるようになるだろう。 |
最近の大雨による被害 |
年月日 | 主な被害 |
|
平成7年7月12日 (1995年) |
黒部峡谷鉄道が8カ所にわたって切れ、トロッコ電車が約4カ月も運転できなかった。 | |
昭和44年8月11日 (1969年) |
2カ所で堤防が切れ、水につかった家は約850軒。愛本橋が流され、愛本えんていがこわれた。 | |
昭和27年7月1日 (1952年) |
4カ所で堤防が切れ、権蔵橋が流された。黒部市内の一部で旧国道8号線が水につかった。 |