ファイナルファンタジーZ
スクウェア
プレイステーション
1997.1.31
あいも変わらず、ドラクエVのトラウマを引きずっていた私は、この頃まで普通のRPGを最後までクリアすることがなかった。多分、経験値稼ぎの為に次々と出てくる敵を倒し、次の町に行く… それを単純に繰り返しているだけの、RPGそのものに飽きてきていたのかもしれない。そんな私が、ふと引き込まれていた作品、それが「ファイナルファンタジーZ」だった… 当時、プレイステーション初のFFシリーズということもあって話題になっていたが、コレって本当に面白いのか?という疑問もあった。しかしプレステの電源を入れて、あの素晴らしいオープニングを見た瞬間に、そんなことはすっかり忘れていた。暗闇の中に照らし出される魔晄都市ミッドガル、乾いた都市の空気を連想させるような音楽… まるで映画を観ているかのような映像に驚愕したのは言うまでもない。実はこのゲームで私自身、最も印象深いセリフがある。それはゲーム序盤、ミッドガル発の最終列車に乗り込んだシーンで、クラウドが「みんな、この列車とおなじ。敷かれたレールには逆らえないんだ」という台詞。後からよく考えると、この作品そのものを表現している言葉なのかも? 仲間のエアリスがセフィロスによって殺される、今となっては有名なシーンを見たときも、当時それ程ショックは受けなかった。それは多分、後から生き返るんだろ?って思っていたから… しかし、最後までエアリスが生き返ることはなかった。そうだ…この作品を手掛けた坂口博信氏も、エアリスの死を通してユーザーに「命の尊さ」を伝えたかったのかもしれない。