富山鹿島町教会

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教会における葬儀について

教会修養会(2001年2月18日)から

今回の修養会の主題は「教会の葬儀」でした。以下はそのときに配られた藤掛牧師による文章をQ&Aのかたちにしたものです。

Q キリスト教では、「死」と「葬儀」をどのように考えているのですか?
A 人間の死は、天地の造り主であり、人の人生の全てを導いておられる神様が、その人の地上の人生を終らせられるという、神様のみ業です。それは、地上の肉体の滅びですが、そのことを通して私達は、霊において、神様と出会うのです。そして信仰者は、この世の終りの時に神様が与えて下さる新しい体における永遠の命を待ち望みつつ神様のもとで憩うことを許されるのです。主イエス・キリストの十字架の死とよみがえりが、その希望の根拠です。従って、死は、全き救いへの通過点なのです。  キリスト教における葬儀は、なくなった方のご遺体を、遺族、近親者と信仰の仲間たちが、丁重に葬る行為の全体をいいます。ご遺体は、その方がこの世を生きられたしるしですから、これを粗末に扱うことは正しくありません。故人に対する敬意と愛とをもって、葬儀を執り行います。然し、ご遺体や故人は神(仏)ではありません。葬儀は、遺体や遺影を拝むことによってではなく、故人の人生の全てを導かれた主なる神様を拝み、神様の恵みの下で故人の人生に思いを致すことによって行われます。葬儀の中心である葬式が、神様への礼拝として行われるのはそのためです。また、キリスト教において、死は「汚れ」「不浄」ではありませんから、葬儀に出席した後、塩で身を浄めるようなことは行いません。

Q 病気などで礼拝に出席できなくなるのが心配です。どうしたらいいでしょうか?
A キリスト教は「葬式宗教」ではありません。私達は、生きている時も主イエス・キリストと共に生き、死ぬ時も主イエス・キリストと共に死ぬのです。主イエス・キリストと共に歩むための基本的な時は、日曜日の礼拝です。然し、病気になったり、老人になり体が弱ってくると、礼拝に出席できない場合も多くなります。その病床、家庭に、牧師や教会の信者が訪問し、神様の恵みを共に語り、祈ってその方を励まし、支えることも、教会の使命です。私達は、教会の祈りと支えの中で病と戦い、老いの苦しみと戦うのです。そのことを、病床にある人も、また看護しておられるご家族も、積極的に受け入れていただきたいと思います。今日「ターミナル・ケア」の必要が次第に認識されてきていますが、教会はその業の先頭に立っているのです。

Q 教会での葬儀は具体的にどのように行われるのですか?
☆死去された時
・死去された時には、すぐに牧師に連絡して下さい(夜中でも)。(Tel 421‐1610)
・病院で死去された場合、ご遺体を拭き清めるところまでは病院でしてくれます。葬儀屋さんに連絡し、ご遺体を自宅に運ぶことを依頼します。
・ご家庭で指定しておられる葬儀屋さんがない場合には、牧師から連絡します。
1.枕頭の祈り
ご遺体が自宅に安置されたところで、牧師が祈りをささげます。家族の方も枕もとに集まっていただきます。
2.葬儀屋との打ち合わせ
牧師と遺族代表と共に、葬儀全体についての、日程等を打ち合わせます。
3.納棺式
ご遺体をお棺に納める式です。その時点までに集まっておられる親族の方に参加していただきます。牧師が司式します。この式から、「葬儀」(葬りの儀式)が始まるのです。
◎納棺式の後、自宅で前夜式を行う場合には、葬儀屋さんに、そのための準備(お棺を台の上に置き、周りを花で飾る)をしてもらいます。
4.前夜式(自宅で行う場合と教会で行う場合があります。牧師とご遺族が相談して決めます)
前夜式は、葬式が行われる前の夕刻に、「棺前祈祷会」として行われます。仏教では「お通夜」にあたるものです。牧師の説教を中心とし、教会員代表の数人が祈ります。最後に、列席の方々によって献花を行うこともあります。献花は遺体に花をそえて葬りの気持ちを表わすために行います。
5.出棺式
ご遺体が葬式のために最後に自宅を出る時の式です。牧師が司式します。「前夜式」を教会で行う場合には、そのために自宅を出る時に行います。
6.葬式(原則としては教会で行いますが、事情によっては自宅で行うこともあります。)
葬儀の中心となる礼拝です。礼拝堂のステージ上に生花で「祭壇」を築き、お棺をまん中に迎えて行われます。順序は下記の通りです。
  前奏、讃美歌(葬式の讃美歌)、聖書朗読、祈祷、讃美歌(個人愛唱)、説教、祈祷、讃美歌、頌栄、祝祷、後奏。その後、遺族代表の挨拶があり、列席者による献花を行うこともあります。その後すぐに出棺し、火葬場へ向かいます。
  ◎なお、教会では、造花による花環はお断りしています。生花の花篭は贈られれば礼拝堂かロビーに飾ります。但し、送り主の名前を書いた札は礼拝堂には置かず、ロビー等に置きます。
7.火葬前式(火葬場にて)
火葬に付す直前に、ご遺体との最後の別れの式です。
 ◎火葬には約2時間かかります。この間、仏教では「七日の法事」として会食が行われることが多いようです。キリスト教においては、特に式はありませんが、待っている間、どこかに席を設けて、会食しながら故人の思い出を語るのもよいかもしれません。
8.骨上げ
火葬が終ると、皆で遺骨を骨壷に納めます。
9.最後の祈祷
火葬場から自宅に帰り、そこで、葬儀全体の終りの祈りを牧師がささげます。
 以上は、だいたい標準的な葬儀の経過ですが、細部は場合によっていろいろと違ってくることがあります。例えば、ご自宅の都合によっては、病院から直ちに教会にご遺体を移すということもあり得ます。それらの細かいことは、相談の上で決定します。

Q 遺骨は、教会のお墓に納められるのですか?
A 葬儀の後、適当な日に、遺骨を墓に納める「納骨式」を行います。その日は、仏教のように何日後という決まりはありません。ご遺族の都合のよい日を選ばれればよいのです。牧師が共にお墓に行って、讃美歌を歌い、短い祈りがなされて納骨します。お墓は家のお墓でも、教会の納骨堂でも、どちらでもかまいません。両方に分骨することもあります。教会の納骨堂では、毎年10月の最後の日曜日の召天者記念礼拝の後、教会員による墓前祈祷会が行われています。教会の納骨堂に納められている限り、いわゆる「無縁仏」になってしまう心配はありません。

Q 自分の葬儀のために準備しておくことはなんですか?
1.「自分の葬儀は教会にお願いするので、死去した時は直ちに牧師に連絡し、牧師の指示に従って進めてくれるように」ということを、家族の方々に確認し、教会への連絡方法を教えておくこと。また、もしも牧師が不在の時のために、教会員の誰かの連絡先も決めておいたらよいかもしれません。勿論、最もよい準備は、家族と共に礼拝に出席し、牧師と面識を得ておいてもらうことであると言えるでしょう。また、病床に牧師や教会員が訪問することができるように家族の理解を得ておくことも必要だと思います。
2.自分の信仰の略歴を書いておいていただければ、前夜式や葬式の説教の題材となります。それを牧師に渡してもらえるように家族に言っておいて下さい。同じく、愛唱讃美歌も。

Q 「お葬式」が伝道のよい機会といわれるのはなぜですか?
A 「お葬式」は、家族、近親者、友人、知人たちに対して行うことのできる最大の「あかし、伝道」の機会です。キリスト教の葬式に出席した方はたいてい、大変感銘を受け、「よかった」とおっしゃいます。それは、皆にわかる言葉で、心を込めてなされるからでしょうし、何よりも、死に打ち勝つ神様の恵みの下でなされるからでしょう。私達は、生きている時にはできないような力強いあかしを、自分の葬式においてすることができるのです。

Q 仏教の香典にあたるものは何ですか?
A キリスト教の葬儀においては、仏教の「お香典」にあたるものは、「お花料」といいます。香を炊くのではなくて、お花を供えて追悼の気持ちを表わすためのお金ということです。

Q クリスチャンでない人の葬式を教会ですることができますか?
A 鹿島町教会では、ご本人またはご遺族が当教会の礼拝に出席されたことのある方であれば、洗礼を受けられた信者でなくても、ご希望があれば葬儀を行うことにしています。